清流沿いの聖窟、サン・レオナルドの聖窟とサン・ミケーレの洞窟

 サビーナ地方で精力的に活動しているセミプロカメラマンで友達のアレッサンドラに誘われ、サビーナの山奥に隠れる2つの聖窟を訪れました。

ロッカンティーカ村を見渡しながら

 ロッカンティーカという小さな村に車を停め、かつて石灰岩の採掘場であった白くて明るい山道を進みました。

石灰岩の岸壁

 岸壁を幾世紀もの間滴る湧水によって、鍾乳石のようなものが形成されています。

サン・レオナルドの聖窟入り口

 歩き続けること約30分、石灰岩の石を積み上げて作られた階段が見えました。そこがサン・レオナルドの聖窟です。太陽の日があたり、優しく輝いていました。

サン・レオナルドの聖窟

 階段を登ると、小さな洞窟と石造の小さな家があります。

サン・レオナルドの聖窟

 この聖窟について書かれている文献がほとんどないので、いつ頃誰が作った聖窟なのか分かっていません。しかし、紀元1000年よりも前から存在しているようです。ここは、サン・レオナルドことノブラの聖レオンハルトに捧げられた聖窟です。フランス人である聖レオンハルトは、中世期にヨーロッパ各地で信仰を集めた聖人で、特にイタリアでは囚人の守護聖人として人気がありました。

 祭壇に向かって左側の壁には、1400年代にヤコポ・ダ・ロッカンティーカによって描かれたフレスコ画、ノブラの聖レオンハルトとアレキサンドリアの聖カテリーナを見ることができます。大分痛みが激しく、何が描かれているのか識別が難しいですが、聖カテリーナのシンボルである車輪は奇跡的に残っています。

奇跡の水

 洞窟の右側には「奇跡の水」と呼ばれる水溜まりがあります。地面に四角く掘られ、常に透明な水が溜まっています。水の量は決して変わらず、その水はどこから来るのかも分かっていません。病を治癒するなどの伝承もある「奇跡の水」です。

隠遁修道士の家

 聖窟の前に立っている石造りの小さな家には、隠遁修道士が暮らしていました。二階建てで、1階には小さな暖炉もあります。

 サン・レオナルドの聖窟から見下ろすことができる谷間には清流があり、中世期の水車小屋跡を見ることができます。

水車小屋の隣にある滝

 サン・レオナルドの聖窟を後にし、更に1時間くらい山道を歩くと、サン・ミケーレの洞窟に着きます。

石灰岩の岸壁

 高く切り立った石灰岩の岩壁があり、ロッククライミングをしている人たちがいました。その岩壁の隣に長く急な石階段があり、登り切ったところにサン・ミケーレの洞窟がありました。

残念ながら鍵がかかった扉があり、中に入ることができませんでしたが、祭壇と壁に描かれたフレスコ画は鉄格子越しに覗くことができました。

 ここは、タンカ山に空いている自然の洞窟を利用して作られた聖窟です。かつて、この洞窟には周辺の住民を苦しめる竜が住んでいましたが、ある夜教皇シルウェステル1世(314〜355年)がソラッテ山で祈っていると、タンカ山で2人の天使がこの悪魔の化身である竜を退治しているのが見えました。そのため、この洞窟を大天使ミカエルに捧げたという伝説があります。洞窟内には二本の柱に支えられた祭壇があり、キリスト像や聖母子像、4人の福音記者のシンボル、神の子羊像などのフレスコ画が施され、祭壇の横には竜を退治する大天使ミカエル像の大きなフレスコ画が描かれています。

ガランティーナ川

 サン・ミケーレの洞窟の近くにもガランティーナ川が流れる渓谷があります。水がとても冷たく透き通っているので、かつて隠遁修道士たちが喉を潤していたに違いありません。

 

サン・レオナルドの聖窟の場所

サン・ミケーレの洞窟の場所

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